地面のある家
川添 善行(空間構想一級建築士事務所)

家は、窮屈だと思います。それは、具体的な広さのことではなく、家で行うことのできる活動の種類が、とても限られているからです。太古の昔、洞窟で暮らしていた人々は、きっと自分の家の中で焚き火をしていたことでしょうし、獲った獲物を解体することもしていたはずです。
そこまでではないにしても、家でできることがもっと増えたらいいな、と思いました。家の中に地面があるだけで、今よりももっといろいろなことができるようになるはずです。サーフボードの手入れをしたり、野菜を育てたり、猫と遊んだり。家の中で、人はもっと自由に暮らせるのではないでしょうか。